あまり知られていないFX取引におけるロスカット追証

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近年、FX取引を利用する人が多くなっています。FX取引は外国通貨の為替価格の変動を利用して利益を狙う取引であり、そこにはロスカットというシステムが設けられていることはよく周知されています。ただ、「ロスカット追証」というものの存在は、利用者の間であまり意識されていません。ロスカット追証を簡単に言うと、借金の返済請求です。

●ロスカット
ロスカットとは、保有しているポジション(建玉)の含み損が拡大して一定の水準に達したため、強制的にポジションが決済されることです。ロスカットが実施されると、含み損が損失として確定します。

ロスカットは金融商品取引法で規定されているルールです。利用者の資産を守るため、一定金額以上の含み損が出た場合、証拠金の範囲内で損失を抑えるために、自動的にポジションが処分されます。

例えば、10万円を口座に入金し、米ドルが1ドル:100円の時に2万通貨を購入したとします。レバレッジが25倍だとすると、証拠金維持率は以下になります。なお、証拠金維持率とは、口座残高(有効証拠金)からポジションの保有に必要な資金(必要証拠金)を除した数値のことです。
・証拠金維持率:10万円÷[(100円×2万通貨)÷25倍]=125%

仮に、証拠金維持率が50%以下になるとロスカットの実施される業者と取引をしていたとします。その際に、為替価格が3円50銭値下がって96円50銭になったとすると、7万円の含み損(3.5円×2万通貨)が生じます。従って、証拠金維持率は以下に変わります。
・証拠金維持率:(10万円-7万円)÷[(96円50銭×2万通貨)÷25]=38.8%

この場合、証拠金維持率が50%を割ったため、ロスカットが実施されます。口座残高は10万円から7万円が減るため3万円になりますが、まだ3万円は残ります。

●ロスカット追証の発生
仮に、為替価格が100円から94円に暴落した場合は含み損が12万円になり(6円×2万通貨)、口座資金では賄えずに2万円が不足します(10万円-12万円)。つまり、2万円の借金が発生します。

この不足金を請求されることを、「ロスカット追証」と言います。リーマンショックやスイスフランショックなどが発生した際はロスカット追証が膨大な金額になり、返済が不能になったことで破産者が多発しました。

●為替変動の少ない通貨での取引
FX取引をする場合、往々にして儲けることしか頭に描かないものです。特に、FXではレバレッジというシステムが設けられているため、実際の資金では稼げない以上の利益を得られる可能性があります。しかし、逆に言えば、大きな損失を被る可能性もあるということです。外国通貨には値動きの安定しているものと、激しく動くものがあります。FXは安全な通貨で取引をしないと、莫大な借金を背負う危険性があります。